プレゼンテーションの技を磨こう

 プレゼンテーションは、ほんのちょっとコツをつかむだけで、 ぐっと上手に、お客さんに分かりやすくなります。

 このページでは、より良いプレゼンテーションを目指し、 資料作成と発表の注意点を挙げておきます。 ただし、基本の基本しか書いていませんので、 指導教員と相談しながら、よ〜く準備をしてください。

いんでっくす

スライドを作り出す前に

この「プレゼンテーションの技を磨こう」の中で 最も重要なのが、以下の3点です。

まずは、先輩の資料をよくチェックしましょう。

 些細な所まで検討に検討を重ねてあるはずです。 次の「スライドを作ろう」の各項目に注意しながら、 先輩の資料を見てみましょう。 また、自分が作成する立場に立って、 自分ならどうするかを考えることで、良い技術をいただいちゃいましょう。

お客さんを意識しましょう。

 学内の卒論/修論の発表会、学会発表、色々ありますが、 基本的に、お客さんが何を知識として持っているか、 想像しながら作成しましょう。

 自分は研究で何度も考えて当たり前に使う事項でも、 お客さんにとっては、初めて聞く話なので説明を飛ばされると 分からない、ということがあります。 逆に、自分は研究を始めるにあたって頑張って勉強した事項でも、 その分野の先生がお客さんなら当たり前に知っている、 ということもあります。

 どの事項はスライドでちょっと触れると分かってもらえるか、 どの事項は丁寧な説明が必要か、丁寧な検討が必要です。 もちろん、同じ内容を話すのでも、 話す対象に合わせたカスタマイズが必要になります。

作りだす前に、コンセプトを固めましょう。

 お客さんに何を知ってもらいたいか、整理しましょう。 お客さんを意識すれば、知ってもらいたい事も 話す対象に合わせたカスタマイズが必要になるのは明らかですね。

 まずは、次の「スライドを作ろう」の各項目を理解したうえで、 紙の上に、スライド1枚ごとに 何についてお客さんに知ってもらいたいかの概略を書いていきましょう。 全体を通して見て、「話の流れ」や「つじつま」が合っていますか?

 なお、この時点では、細かい字句にこだわる必要はありません。 極端に言えば、最初は、各スライドの仮タイトルを決めるだけでも構いません。 (各スライドで何を知ってもらいたいかが固まってこそ、 その内容を表すタイトルが考えられるはずですので。)

 こうして、全体の流れを組み立てます。 後は、「スライドを作ろう」 の各項目に注意しながら 段階的に詳細化していけば、 全体を見渡した構造を持つ、top-down で分かりやすい説明ができます。

スライドを作ろう

Bottom-up ではなく、top-down の説明をしましょう。

 概念レベルの説明 -> 詳細の説明 の順で説明することで、 「なぜこれが必要か」が明確になります。 論文に証明が書いてあるのは、Lemma, Lemma, それを組み合わせて Theorem、 と bottom-up な順番だったりもしますが、発表では頭を切り換えましょう。

スライド全体に構造を持たせましょう。

 全体としての基本的な構成は、 「1. 研究の背景」、「2. 既存の研究」、「3. 本研究の結果」、 「4. 研究の詳細」、「5. まとめ と 今後の課題」です。

 「3. 本研究の結果」までで、テクニックの詳細は別として、 研究の位置付け / 何をしたいのかを、お客さんに分かってもらいましょう。 ここまでの部分がしっかりしていないと、研究の詳細を説明する意味がありませんし、 お客さんも聞くのをやめちゃいます。

 「4. 研究の詳細」は、発表時間によって、長さ (詳しさ) を変えましょう。 もちろん、長い場合は、この「研究の詳細」の中にも構造を持たせます。 研究していてる時に出したアイデアを、 お客さんに面白いと思ってもらえるといいですね。

各スライドの中に構造を持たせましょう。

 お客さんは、発表の時点で初めて見たスライドを、パッと理解する必要があります。 1枚1枚のスライドは、構造を作ることで、理解しやすくしましょう。

例 1)   項目を思いつきで適当に書いて、 センタリングで配置するのは、構造が見えづらく、お客さんに不親切です。

例 2)   「既存の研究」と「自分の研究」を1枚に書くなら、 itemize の大項目は「既存の研究」と「自分の研究」ですね。 小項目としてそれぞれの特徴を書く時に、 2つの対比が分かるような構造を作りましょう。

大事なことは、書いておきましょう。

 お客さんにとっては、初めて聞く話です。 しゃべっただけでは、右の耳から入って、左の耳から簡単に出ていきます。 大事なことは、聞き漏らされないよう、書いておいた方が良いでしょう。

 また、大事なところは色を変えて強調するのも良いでしょう。

文章をダラダラと書かず、キーワードを簡潔に示しましょう。

 最初は不安なので文章を書きますが、 お客さんは長い文章を読んでくれません。 キーワードを簡潔に書きましょう。 そのつなぎ方だけ覚えれば、自然と話せるようになります。

分かりやすい図を考えましょう。

 図は、直観的な理解を助けてくれる、強力な道具です。 また、同じ説明をするのでも、図の作り方次第で 分かりやすくもなれば、分かりにくくもなります。 どうすれば、初めて見たお客さんに伝えたい概念を理解してもらえるのか、 他にもっとよい図の作り方がないか、よく検討してみましょう。

 また、普段、論文を読む時から、状況を図にまとめながら読むといいでしょう。 「論文が理解しやすい」、「発表のための図を作るトレーニングになる」と、 一粒で二度おいしいですよ。

「ちょっとマズイかもしれないけど、まぁいいや」は、要注意。

 「書き方や図がちょっとマズイかもしれないけど、 なんとかなるか。まぁいいや。」という箇所はありませんか? そういう場所は、大概、「よく分からない」とお客さんに言われます。 (もしくは、発表練習の時に、指導教員からダメ出しされます。)

 せっかく、ご自身のセンサーが修正箇所を発見したんです。 文章や図を作り変えて、もっと分かりやすい説明がないかを考える、 よいチャンスだと思いますよ。

手間を惜しまず推敲しましょう。

 発表時間は限られています。 その短い時間の中で面白い研究だと興味を持ってもらえるよう、 構成はこれでいいか、表現や図解を修正すると もっと分かりやすくならないか、考えてみましょう。

例 1)   たとえば 15分の発表時間だけど、 発表練習をしてみたら 20分かかったとしましょう。 こんな時どうしますか?

 少し早口で話せばギリギリ 15分でおさめられる。 これ、最悪です。 たぶん、お客さんは、話の途中でついていけなくなって、 居眠りを始めちゃいます。

 正解は、「スライド全体の構成を考え直す」です。 発表内容を整理して、本当に大事なこと、 話の本質がどこにあるか吟味してください。 すると、削るべき内容が見えてくると思います。

 ただし、スライドの適当なページを適当に削除すれば良いという訳ではありません。 これまでに、スライド全体の構成を考えて話の流れを作っていたはずです。 ですので、一部を削った後で、話の流れがこれで良いか確認し、 他のスライドにも手を入れる必要があります。

 もう一つの解は、「話す言葉を見直す」です。 (ただし、これで稼げる時間は多くありません。 上記の「スライド全体の構成を考え直す」と併用する必要があります。) 同じことを言うのに、持ってまわった言い方をすると、 分かりにくくて時間がかかることになります。 そういう所を、簡潔に核心を述べるようにしましょう。

例 2)   修正点を見つけた場合には、 修正量の最小化が目標ではありません。 お客さんの分かりやすさを最大化するのが目標です。

発表しよう

大きな声で、ハキハキと発表しましょう。

 重要。非常に重要。

予鈴の位置を覚えましょう。

 発表練習を何度も何度もやれば、 どの時間にどの位置を発表しているか、だいたい確定します。 予鈴の位置を覚えておいて、本番での時間調整に役立てましょう。

 発表練習をやってみて、時間が足らない場合には、 早口になるのではなく、話す内容やスライドの分量を整理してみましょう。 また、「○○について説明させていただきます。○○は、〜」 と話すぐらいなら、「○○について説明させていただきます。」の部分は カットして、前後の言葉がつながるよう修正しましょう。 無駄に消費していた時間を、少し取り戻せましたね。

発表の「間 (ま)」を考えましょう。

 タイミングは重要です。 大事な所は、ゆっくりと、強調して話しましょう。

身振り手振りもプレゼンです。

 コミュニケーションの手段は、多様です。 口でしゃべるだけがプレゼンテーションではありません。

例 1)   手や指示棒でスクリーンを指すと、 お客さんの視点はそこに集まります。 逆に、それがフラフラしていたり、意図が明確でなかったら、 お客さんは混乱します。

 手や指示棒は、ダラダラ動かさず、 「ここを見て」という場所をピタッと指しましょう。

例 2)   視線は、どっちを向いていますか。 始めから終わりまでスクリーンを向いているとか、さみしいですよ。

 (4年生の卒論発表にここまで求めませんが) しぐさ、表情など、ありとあらゆるものを含めて コミュニケーションが成立していると意識しておくとよいでしょう。

「まとめ と 今後の課題」は、時間調整に使いましょう。

 このスライドは、時間があれば順番にたどれば良いでしょう。 このスライドに来るまでに発表時間終了の合図があれば、 途中は要点だけ言って飛ばし、このスライドまで進みましょう。 「まとめと今後の課題は、以上の通りです。」で終わりにすれば、 発表時間をほぼ守れます。

 (発表練習とスライドの練り直しを繰り返せば、 「まとめと今後の課題」に入って少しした辺りで発表時間終了になるように 調整できます。)


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horiyama [ @ ] al.ics.saitama-u.ac.jp